知的財産を教育に取り入れることは大いに賛成です。

しかし問題点は教育でなく社会にあります。

教育と社会は1対1対応です、社会のニーズに合わせて教育は行われます。

社会⇒教育にたどり着くまでのトンネルに多少のろ過があってもです。


インターネット上でこんなフラッシュが話題になってます
すごいよJASRAC

日本音楽著作権協会JASRACについての批判的な内容です。

このFRASHで問題にされていることは
・日本の著作権使用量が割高であること
・著作者不明の楽曲にも使用料がかかる
・自分の著作物の使用にも使用料がかかる
・著作者が無償で著作物の使用を容認しても使用料を取る。
・著作者と利用者の間でトラブルがあっても関与してくれない

などです。ボランティアコンサートで演奏しても使用料を取るというのもちょっとやりすぎとは思います。取ったお金がどこにいくかなど不明瞭らしいのですがそこは実際分配されているかわからにので問題にはあげれません。

HPを見てみるといろいろ問題になりそうな文があります

□JASRACの仕事□
JASRACは、膨大な数の管理楽曲をデータベース化し、演奏、放送、録音、ネット配信などさまざまな形で利用される音楽について、利用者の方が簡単な手続きと適正な料金で著作権の権利処理ができる窓口となっています。そして、お支払いいただいた使用料は、作詞家・作曲家・音楽出版者など権利を委託された方に定期的に分配しています。東京にある本部のほか、全国の主要都市に22支部を置いて、主にコンサートやカラオケなどの演奏について世界にも類をみないきめの細かな管理を行っています。


もちろん情報化も行われています。リンク先からリンクされているスライドを見るとわかりやすかったです。
『DAWN21』

JASRACの運営のためのお金は分配額から控除されるようです。
権利者の方への分配は、明細を付けて年4回定期的に行うことになっており、その際、文化庁長官に届け出た「管理手数料規程」に定める料率の範囲内で手数料を控除し、JASRACはこの手数料を運営費用にあてています。なお、JASRACでは、手数料収入が運営費用を上回った場合は、「収支差額金分配規程」にもとづき翌年度権利者に分配します。



主に『著作権の保護』の部分で働いてる団体なのですが、
日本の著作権保護は少々過敏・過剰な部分があります。
著作物の保護の必要性は
「著作物の価値」と「著作者の意思」
の両方があって初めて発生するものではないのでしょうか。


先日も著作権が切れている楽曲を演奏していると主張する生演奏型のレストランが裁判にかけられ
今後著作権侵害の恐れがあるからピアノ(楽器)を撤去しろ判決を下された事件もありました。
世間に対する戒めの意味もあるんでしょうが、表面上を見る限りは「横暴だ」という意見が次々に発せられているようです。僕もそう思います。
また日本は前例を重んじる国だと思います。前例ができたらこれに後々したがって行くわけで反応過剰が加速する可能性も・・・?
JASRAC vs. デサフィナード
判決文


思えばwinny裁判から何か感じていた違和感。(あまり公表するなと示されているのでこっそりリンク)
winny裁判まとめ
Winny開発者に著作権侵害ほう助の有罪判決、金子勇被告は控訴


個人的にはプログラム言語開発者dankogai氏のBLOGがとても勉強になる。
包丁には銃刀法、ではソフトウェアには?
表現としてのソフトウェア

この裁判は簡単に言うと著作権侵害を簡単にしておいて「ちゃんと」著作権侵害する使い方するな、とアナウンスしてなかったから『著作権侵害ほう助』
著作権侵害の手助けしたので有罪。だそうです。

しかし使われ方が間違っていただけで、技術的な面は素晴らしく、
開発者は悪くないだろうというのが有識者の多くの意見のようです
Winny開発者の裁判に村井教授が証人として出廷、検察側の主張に異議

これらは『原子力応用した技術を発電として届けるか爆弾として捉えるか』の違いであり

少々過剰な表現でしょうが、この判決が一部のソフトウェア開発や技術開発の発展を減速させた可能性も否めません。
技術の発展を加速させるための知的財産が本末転倒ですね。

知的財産(技術)<著作物?矛盾?自己言及のパラドックス??

ホリエモン事件の裁判についても考えさせられましたが
日本の裁判とかシステムって社会的な影響の大小にとらわれすぎで
本当に大事な視点を見失っている気がします。

著作権を含む知財についての教育を行う前に
知的財産の社会的な整合性を考える時期だと思います。
一つ前のエントリーはうまくまとめられなかったのですがそれを言いたかったのです。

社会がちゃんと整合性を取ってくれないと教育も整合性を取れない気がします。
教育と社会は1対1対応です、社会のニーズに合わせて教育は変化します。
---2/6 13:00追記

JASRACが新しい著作権保護団体を作るそうですね。
検索から使用料の徴収まで一元管理--著作権団体が共同のシステムを構築へ
音楽から漫画まで。

いわゆる「オタク文化」が一般に市民権を得た(要に扱われている)ことで
同人誌など二次創作物産業も例外なく莫大なマーケットに発展しています。
日本独自の文化ジャパニメーションなどの発展もこの二次創作物産業の寄与は結構大きいです。
取り締まるとなると逆に売り上げを減らしちゃう可能性もあり国益はとりあえず減りますよね。
知的財産の扱いにはこういう視点からの例外も多々あるのも特徴ですよね。
【知はうごく】「模倣が生む才能」著作権攻防(6)?3
夏目氏は、「ポップカルチャー(大衆文化)に模倣やパロディーは付きもの。それを切り捨てると、文化そのものが細くなってしまう」と指摘し、「同人誌のようなケースには、著作権者から簡単に許諾をとれるようなシステムが必要」と提言している。


また音楽関連ですが、ipodにも課金の動きがあるそうです。
どうなる「私的録音補償金制度」?「iPodも対象に」JASRACの考え

お金の流れの問題もやはり具体的に指摘されていました。
この国を変える流星-METEOR--JASRACの不透明計算と不透明基金…内部でも狂いまくり-

言ってはいけないんでしょうが著作権を尊重する社会をつくる=今の感覚では暮らしにくい社会という感想です。
著作物を個人で楽しむのになぜ課金が必要なのか、そして著作物の二次使用での収益のすべてを「損害」と捉え保護するのか、イマイチ立ち位置や意味をはっきり把握できないなという印象を受けました。