今まで読んだ本の中で一番書評の仕方がわからない。

でも必読。誰でも一読の価値がある本であることは間違いない。

BLOGアクセス1000記念に。
1999年(まさに世紀末)に発売された本の文庫版、タイトルと著者の学歴を見てたまたま手に取ったが、ぼくがゼネラリストになりたいといっていた理由が一部始終書かれていました。

書評として何が書きにくいかというと、まず本書の内容。

シンプルに言うと山形浩生氏による毒舌『書評本』なのです。

毒舌ゆえに、教養(つまり上品さ)があるとは言いがたいのですが、本書のメッセージや内容から博識であることは確かです。見た目はとても温厚そうな方です。著者のBLOGはこちら。



完全に書評本ではなく、『メディアと怪談とインターネット』『ネットで国家を民営化する営み』などちょっと堅苦しそうなタイトルのコラムもあるのですが、内容については後述。

書評本で、発行時の著者自身が読み返した自己書評が書かれており、かつ文庫本として読み返した自己書評が書かれており、さらに解説が宮崎哲弥氏の解説が書いてあり、もう書くことはない。

さがしてみれば反響ページさえあった。

なので紹介にとどまります。

著者の主張は、

『社会の基盤となる教養ってものをつくり直し、伝え直す』
『教養として成立すべき基盤をこれからつくっていこうじゃないか。このぼくが。あるいはこれを読んでいるあなたが。』


この教養というのは、本書にも書いてありますが、ベートーベンやらモーツアルトを聞いて何ぼというお話ではありません。

教養があると、映画一つでも、そのストーリーの裏のパロディや思想を楽しめる。という主張が一貫されている。というか読み取れます。

そしてその主張は50ページ近いプロローグにわかりやすく書いてあります。

そう、すごいのです。わかりやすいのです。すとんと話が落ちてくる。

中高生が読んでも、ある程度伝わるように書いてある。それを読むだけでも人生観が変わってしまうかもしれない。

その上、わかりやすさ上に揚げ足を取られたとしても、ちゃんと言い返せるだけの教養や賢さが著者にはあり、それがはっきりと受け取れるのです。

そしてないようにしてもわざとぶっ飛んで書いています。

エビデンスもなく否定して自分の構想を語る時は、書評家や訳者でなくエンターテイメント作家としてものを書いているのがよくわかる。

ぼくら素人が揚げ足を取ろうものなら合気道のように逆に投げ飛ばされてしまうくらいの何かを感じました。

この本により学んだことは、

「書評は本を批判しても意味がない、自分の教養に照らし合わせ、自分の意見を主張する方法の一つである。」
ということ。

でも、本BLOGでの書評の敷居を高くしてしまうので見てみぬ振りをします。

あとは知識の面で新しく知ったことが多々ありました。

不景気の話なんて面白かったですね。「消費税を7%に上げよう!」ってやつです。

8年前の話なのに、今でも通用する、十分説得力のこもった話でした。

参政権を免許制にするとか、一人十票にするなんて話も面白かった。

著者が経済に通じているからこそいえるジョークです。

ほかにも幅広くさまざまな分野を網羅しています。

公式サイトで本書に掲載しているほとんどの文章は読めます。時間のある方はこちらでどうぞ。

でもなぜこの話が本に掲載してあるのか、山形氏の意図ごと読むのも(あえて)一驚だと考えます。

教養は体系的な教育の先にあるもの。よって少なくとも教育者として読んでおいて損はない本です。

話は飛びますがAmazonが脳機能学者苫米地氏の本によるキャンペーンを行っています。

読もうと思っていた本なのでこの期に買ってみようと思います。

ぜひ合わせてどうぞ。