満を持して読んでみましたが洗脳や脳のしくみなどには興味はわいた。

しかし、あまり薦められる本ではない。

著者に洗脳される可能性があるからだ。
読むなとはいいませんが、最後まで読んでほしくない本。いや、最後まで読まないとわからないんですが。

著者は人工知能を学んだ脳機能科学、脱・洗脳のプロフェッショナルだけに本当に博学である。

本書に書いてある事柄たち以上の知見を得ることができた。



『脳と心の洗い方』を主観を交えた言葉でまとめると

自分を洗脳しちゃえば変われる。

非日常的な言葉を使うとトランス状態(情報の認識があいまい)になる。

そしてトランス状態になるとトランス状態にした人に対して好意を抱く。

成功体験というのは成功した時だけでなく、理想の成功までの過程を絵描き、

その過程を進んでいると認識すると気持ちよくなる。

気持ちいい状態で洗脳状態(アンカー)をインプットして、

洗脳状態を引き起こすトリガーを毎朝見るものにすれば、

自分がなりたい自分に向かって成長してると思えば気持ち良くなる。

と言うことが脳機能学や心理学、さらには仏教や唯物論などの考えをエビデンスとして語っています。



洗脳の定義はこのマインドコントロールで第三者に利益が及ぶことであり、

北朝鮮などの教育はこれに当たらない、また

教育では本人の利益になる場合のみこの洗脳の技術を使うべきだと主張しています。

また洗脳されないために既存の価値観を疑ってかかることを主張しています。



ここまでは大事だと思うのですが、著者にはもう少し主張がありまして、

戦後の憲章で、日本人の権利は平等化したけど、日本が独立したと英語で表記していない、これは日本が洗脳状態であると言う話なのですが

ナショナリズムには興味がないのでどうでもいい話。
というかナショナリズムをあおられても困るのですが。



思えば小学生のとき、ありえない空を飛んだり魔法を使ったり巨大化するような非日常的なアニメにあこがれたし、

普通じゃない面白いことを言う友達ほど人気だったり。

マックやケンタの匂いをかぐと食べたくなるなるのは、
食べておいしかった記憶が「アンカー」、
においが「トリガー」になって洗脳されているということなのでしょう。

これらの説明がつくわけですね。



「頭の回転が50倍速くなる脳の作り方」も同様、脳機能学の見地から、

・抽象化してアナロジー化すれば早く理解できる。

・脳の海馬がいつもと同じ情報は捨てるから、覚えたいことはまずわざと間違える

・リラックスし、集中し、並列で脳を働かせることが大事。

これを踏まえたなら、一つのことに集中させるより集中して情報を並列に処理することが大事であると言うこと。失敗は許容すべきであると言うこと。

テレビを消してラジオを消して机に向かって集中するよりテレビもラジオも付けたまま集中したほうがはかどる気がしていたのもうなづけるし、

筆者は聖徳太子も可能であると言う。

というか一つのことに集中できる環境など、社会に出たらそうそうないのだから、テレビでもラジオでも並列でこなせる癖を付けとくべきだ、と言うのは持論でもあるのですが。


なお、本著はまとめているところまでで第4か5章位まで。その後は読まなくても良いと思います。

30分で読めます。

速読に関しては『今までの10倍本が速く読める法』のほうが詳しい。むしろ本著がこれを裏付ける形となります。


両著書とも共通して言えるのがわざと抽象化した表現を使ったりして、大事なところはわざとわかりにくくしていると言うこと。

そこに洗脳のHOW TOだったり大事なことが描いてあるのだが、なにか
「知識の使い方をわかっている人だけが理解しろ」
と言うか
「わからなければ別の僕の本やセミナーを利用しろ」
と言うようなサブリミナルが隠れているようでならないのです。

「そういうものなのです」などと言う表記を見ると、皮肉なことに本著が主張する「与えられた価値観を疑え」に準じて本書を疑ってしまう。

そういう意味で読むなら心して読んでほしい。哲学の話は面白いが、あまりお勧めできない本。洗脳だと咎められそう。

ちなみに強くイメージすると理想の自分がかなうと言うのは欧米流の考え方、アジアは願いは忘れたころに叶うことになっている。

どちらも矛盾していないのがミソですね。