副題、なぜ学び、何を学ぶのか。

ココ半年くらいで一番しっくり来た本

大人にも、大人にこそ読んでほしい
レジュメのように要点をまとめてみよう

■1時限目 国語
国語力は「言語能力」と「コミュニケーション能力」からなる。
「言語能力」は表現と理解の能力
「コミュニケーション能力」は言語能力をツールとして使う能力である。
一枚の絵を言葉で表現する。その言葉をもとに絵に書いてもらう。
言語能力が的確であるならその絵を再現することができる。数式や地図も応用は利く。
また、感受性豊かな文を書くこと、感情や主観を交えて話すことが国語の美学ではない。
自分の気持ちを伝えたいなら「うれしい、悲しい、楽しい、むかつく、寂しい、ウザイ」で事足りる。


→いくつか学校で、しかもどの学年段階でも使えそうな実践が紹介してあったのはよかった。
一番面白かったのは最後の『自分が編集者になったつもりで辞書を書く』というもの。
「右」と言う言葉を「左」と言う言葉を用いずに説明するとなると僕も危うい。

■2時限目 数学・計算
理解したり、納得しても計算・解答ができなければ0点になる学問である。
数学を好きになる必要はない、面白さを知っていればそれでいい。
数学で身に着けるのは知識ではなく、数学的思考である。
数学力があれば世にあふれるいんちきを見破り真実を見抜ける。
数学が苦手な生徒は姿勢が悪い。
またすぐに消しゴムを使う、左手を使わない。
リズム感のある生徒は算数ができる。
何を使って解く問題か「見抜く力」を鍛えると問題は解ける。

→やる気が出ないときはファミレスでがんばっている自分に優越感を持つというハックは面白かった。
個人的に気になったのは「数学的思考力」というもの。
これを現実に転移できるかと言う問題はどの教育書にも書いてあるし、まずは計算力だなどと訴える本は多い。

筆者の主張と同様の結論になるのだが、数学の知識ってものが結局信頼性、本書で言うクレジットの一部だと思うのだ。

例えば電卓のない状態で「101を99個集めた数」を計算してもらうときに
足し算しか知らない子より
掛け算を知ってる子の方が答えの信頼性は高いし
二次方程式を知っているほうがさらに信頼性は高い

101+101+101+・・・=

より

101×99=

より

(100+1)×(100-1)=

ととける方が解答に信頼が置ける。

それを国語力や科学理解に反映させることができるかは別問題であるが一番重要な問題であると思う。


■3時限目 図形
数学の補助線はセンスでしか見えない
そしてそのセンスは小さい頃のかくれんぼなどで
空間を立体的に把握する能力を鍛えているほうが有利だ。
このセンスは「見える力」であり伸ばすことはできる。パズルなんかが有効
「見える力」・・・図形センス、空間把握力、試行錯誤力、発見力
「つめる力」・・・論理力、要約力、精読力、意志力

「つめる力」を伸ばすにはできないことをできるようにする勉強が有効
数学が嫌いな人なんていない

→数学を自然なもの(むしろ欲求)として捉えているところが面白い。
2時限目でも語ったが、数学も普段考えていることの裏づけでしかないのではないかと最近思いはじめた。
というか結局学問はすべてつながる地続きなものなのに、分けてしまうことが一番だめなんだなと思う。それは5時限目で竹内薫氏も遠まわしに語っている。
ダンスでもそう思うし。
そういえば今読んでいる本にも「数学的第六感『数覚』がなければ数学の問題は解けないが、或る程度その数覚による解答の美しさを知ることができる」と表記されている。
数学は芸術の一種とも言われるし、すべてはつながっているのである。

■4時限目 英語
英語を使うためには英語のネイティブスピーカーに『同期』しなくちゃだめだ。
文型も暗記だけじゃ意味がない、感覚をつかむことが大事。
教科書や問題と思っちゃダメ。
英語を学ぶ目的は英語スピーカーの相手の話をウムウムと聞くためじゃない、
自分の意思を表現し伝えることのため。
楽しようとせず歯を食いしばって単語を1万語でも覚えれば感覚をつかめる。

→とんでもないツンデレである。
最後のメッセージ「君の未来は違和感の中にある」はとても心に響いた。
一番読んでほしい章だ。
違和感を感じることは個性で、それを追求していけば人生を変えることが或る。政治システムに違和感を感じれば政治学者になるかもしれないし政治家になるかもしれないというのだ。
これは実は無意識に人々が行っていることではないかと思う。
日本にいて、世界に貧しい人たちがいることを知って、
違和感を覚えて、NGOやNPOや青年海外協力隊やらで海外に行く人はいるのだ。
それを早いうちに自覚できると言う事は子どもたちにとって衝撃であり歓喜ではないだろうか。

■5時限目 理科
固定化された定式は型である。
型を流動化させるのが仮説で、仮説を使い型破りをするのが科学と言う学問である。
仮説があり検証がある。だからこそ証明ができるのである。
二酸化炭素と温暖化など、世間で常識とされていることの99.9%は仮設であり
信じているととんでもないことになる可能性がある。
「語りえぬものには沈黙しなければならない」

→おなじみサイエンスライターの竹内氏。
間主観性はパースペクティブのことだろうし、
物理から転移して哲学すると言う物理学者特有のスタイルはやはり面白い。

■6時限目 社会
よのなか科は「一個のハンバーガーから世界が見える」がテーマ。
ハンバーガーショップを経営する事をコンセプトに
実際に駅に電話をかけたりする実践をはじめ
さまざまなロールプレイがある。
弁護士、自殺志願、安楽死、ホームレスなど、学校で従来扱わない社会問題までオープンエンドな問題をディベートする。
世の中の正解が変わって正解が多様化した。
その中でじっくり練った自分なりの「納得解」を出すことが大事。

→これから出会う問題には一人で解決しようとしないこと。と、藤原氏は述べる。受験生は一人で戦うことに慣れている。
藤原氏は社会を体験し、社会で一人で解決する場面が少ないことを知っている
教育現場もこれに対応させるべきだという主張だろう。
縦でも横でもない、ナナメの関係を大事にして生きろと言うのも独特でいい。
確かに、自分の中でも影響を受けた人の多くはナナメ上やナナメ下の人たちだった気がする。

■課外授業 心理学
自分は自分一人ではない。他者としての自分といい関係を築くことが
成功する秘訣。
占い師のようなコールドリーディングの技術や思い込みや環境のメンタルモデルなど、さまざまな技術で自分を成功する自分に作り変えることができる。

→これらはかつて読んだ本に散々書いてあったことのおさらいだった。
しかし、勉強のコツはキリがいいところまでやらずに中途半端で終わらせることで、次回からまた勉強に入りやすくなるというテクニックは意外だし使えそうだ。
ただ繰り返すと自分が中途半端なやつに無意識になってしまう可能性があるし注意が必要かもしれない。



■まとめ
まとめと言うほどまとめることはないのだけれど、16歳に対して書かれた本だけあって、オプティズムと実用性とメッセージにあふれていて、とても舌触りが良かった。
ココ半年で一番の良著。もっと若いうちに読んでおきたかったし、若くなくても読んでほしい一冊。僕がココまで心打たれたのだから。

■ロボコン
明日からジュニアロボコン2007In三重が行われます。
合宿形式でのロボット製作です。
倒れないようがんばりたいと思います。