一ヶ月くらい前に読み終えていたのに書評し忘れてた。



島田紳助の本。買ってまで読むべき本かと言うと判断しずらいのだけれど、

読みやすさはピカイチ。量も多くなく書いてあることもシンプルで分かりやすい。
難しい言葉は一切出てこない。そういう意味でも紳助は天才だ。
主張はシンプル、顧客満足度はまず従業員満足度から。

どんな店がほしいかだけでなく、誰とどんな店をしたいかが重要である。



特に真新しいことは書いてなかったのだが、本書で書かれていたことは一番重要でかつ忘れ去られているところだと思う。

要はなぜ儲けるか、だ。

研究室の後輩が言っていたのだが、「働く」ということは「はた(周囲の人)を楽にすること」だと彼女は教えられて育ったという。

同時に働くという字は「人が動く」と書く。

なぜ人を動かすのか、なぜ働くのか、これはディオゲネスアレクサンドロス大王の時代から言われている

本書で得たことは二つ。

ひとつはこれを教育に置き換えたとき、誰のための教育かということだ。

教育現場はビジネスの世界と同様、子ども、保護者、地域・社会の三つ巴の中にある。

誰が客で、誰が経営者で、誰が従業員か。

評判がよい学校だから短期間だけそっち、というわけには行かないのだし、学校の評判をあげるために画期的効果的な教育するのではなく、画期的効果的な教育の成果として評判がついてくる。

保護者のための教育ではないし、まして評価のための教育ではない。「忙殺」と言う言葉通り、忙しさはこの感覚を殺すのだと思う。(僕らが思ってるより教育現場は事務処理が多すぎて忙しいのである。)


次に前提を6割書くという姿勢だ。

何かを語るとき、場面を切り分け、どういう場合にどういう前提で何が足りなくて、、、ということを書かなければいけない。

前提が一般的な常識だと思ってはいけない。

仮定に仮定を重ねて書く「べき論」ほど無意味なものはないだろうし。

このBLOGの記事もそうして書けていない為ぼくはまだ成長できていないのだが(学習・成長とは知識を得て現実の行動にいかすことを言うはずなので)。

紳助を見る目が換わったという書評を見るが、僕はむしろ紳助に特異な何かを感じていた。それの確証をつかんだという感じ。