短いくせに内容が濃い本だったので、最終的にトイレで読んだ。。。

本書は(山形氏の解説によると)哲学者フランクファートによる「ウンコな議論」英語で言うと「bullshit」という言葉について考察することで、人の態度を哲学的に戒めた本。



P53より
意識ある生き物として、われわれは他のものとの対応関係の中でのみ存在しており、したがって田のものを知らずして自分自身のことなど知りようがない。


中身があるのかないのか分からない考察の中で唯一はっきりと断言した言葉だ。

この一文を読めただけでも本書を手にした価値があったと思うようにしている。

本当はうしろの解説の方が面白いんだけどもね。


解説の中では道徳について触れている。

現在の道徳は制約にしかなっていない。

本来はなにか対象を大切にする「愛(と本書では示しているが日本語的なニュアンスは愛着が適当だろう)」が行動の基準であり、

それをまとめたものが道徳である。

このような小さな主張が書いてある。

「教育の目的を実践哲学に、方法を心理学に求める」と唱えたのはヘルバルトだ。

個々の成長による道徳規準が集まってルールができる。

ルールがあってそれに沿った個を育成するのではないと信じたい。

禁止教育や道徳の教科化など、いろいろ話題にも上った道徳であるが、

僕らは実は道徳やその基盤となる哲学を何も知らずに語っているのではないか。

そう思うことが多々ある。

本書はわざと目につくようなインパクトのあるタイトルをつけている。

そう、哲学を知るための第一歩としてありたい。

そんな小さな自己主張が見て取れる。

本書の構成は50ページ程度のウンコな議論についての考察と、50ページ程度の解説。

時間があるのであれば、読んでおいて決して損はない。


参考:哲学で博士号取る予定の俺が、どんな質問にも哲学的に答える