小難しいタイトルをつけてしまったがシンプルに説明したい。

毒入り餃子問題で農薬が危険なものだったことが問題になっていたが、
あるニュースで食糧自給率の問題を取り上げていた。

日本は40%しか自給率がなく輸入に頼るしかないと。
むしろ逆である。
日本が輸入に頼るから自給率が少ないと考えられないか。

国の間では経済格差があって、物価の違いがあって、人件費もそれに対応して低くなるはずだ。中国の社会人の月給は日本の10分の一と聞く。とすれば、単純に考えて日本の野菜より中国の野菜が10分の1値段が低いのだ。

安い方から買った方が生産者が得なのは誰が見てもわかる。
200円の餃子の原材料が10円か1円かだけで、単純に収益が10倍変わると考えられるわけだもの。

ニュースの解説者が「徹底的に原因を洗い出すべき」といっていたが、実はこの問題の原因はそういう国際経済格差と、その中で利益重視で生産をするために輸入を行う生産者の倫理の問題ではないかと思うのだ。割り箸問題も同様である。

中国には経済的な難民が3億人いるという話を聞いたことがあるし、その手の環境で働いているのは子どもであったり、農家も生きていくために農薬などを使い売り上げを出そうと必死だ。

そうして働きながら教育の十分でない農家の子どもが大きくなって農薬の妥当な使い方ができないという悲劇も容易に想像できる。多少論理が飛躍するので申し訳ないが貧困がこれらの諸問題を起こすという事は言い過ぎではないと思うのだ。

それから、中国が経済的に成長して、そういう法整備と管理が進み信頼の置ける国になったとしても日本と物価が並べば生産会社はまた物価の安い国に頼むと思う。そしてまた貧困の国から悲劇は繰り返す。

食に信頼性を求めるのであれば、まず世界の貧困を無くすことだ。
全世界に水道を通すだけでどれだけの人が生きることができるか。
今回の事件で日本人が中国に調査に行くのためのお金で世界のどれだけの人数が救われることか。もちろんODAでの日本の援助額は世界一位であることは素晴らしいと思う。

これはあくまで思考実験だが、そうした考えを持たず中国という「国」が悪い人が悪いと責め立てるスタンスが僕は苦手だ。広い視野で見たらいつでもどこでも悲劇の原因は劣悪な環境にあるのだから。