99.9%は仮説が怪著であったためか本書は正直ちょっとがっくり来た。
サイエンスライター竹内薫氏のビジネス本。
仮説力 できる人ほど脳内シミュレーションをしている
竹内薫:著

科学的に考えれば仕事が変わる!

<成功の鍵は"仮説力"にある>
物事に対してさまざまな仮説を立てることで、
発想の幅が広がります。
"仮説力"を鍛えることで、物事に対する判断力がつき、
ビジネスの場面でも優位に立つことができます。

<科学的エピソードから"仮説力"を養う>
本書で紹介している「仮説」は次のようなものです。

・2回転はゼロ回転?
・ライト兄弟は本当は飛行実験に成功していない?
・無限は数えることができる!?
・鳥は四原色でモノを見る
・おじいさん殺しのパラドックス
・写せない水着モデルの撮影会?

これらの仮説を通して、日々の現場で役立つ理系的な発想法を紹介しています。普段は触れることの少ない「科学」に秘められた数々の「仮説」を知ることで、コチコチ頭がやわらか頭へと変わります。

<ベストセラー作家初のビジネス書>
本書の著者は、『99.9%は仮説』(光文社新書)が好調な竹内薫氏。
本書は、著者初の「ビジネスマンのための科学力」の本。
「文系に役立つ、理系発想」を紹介します。

<著者より>
この本は、毎日、同じような生活パターンが続いて、「最近、どことなくやる気が出ないな」と、マンネリ感を抱いていらっしゃる方に、いちばん読んでもらいたいです。同じ会社で同じ仕事をしていても、自分の頭を切り替えることで、新鮮な気分で仕事と向き合えるようになるはずです。マンネリに必要な薬は「仮説思考」です。

<カバーの折り返し>
そもそも「仮説力」とはいったい何か?

ものごとを多面的に眺めて、さまざまな可能性を考える能力。
つまり、脳内シミュレーションのこと。
      ↓
「仮説力」を身につけると、どんなメリットがある?

人生におけるチャンスが増える。

どんな状況にあっても、素早く的確な判断ができるようになる。
      ↓
「仮説力」を伸ばすには、どうすればいい?

その秘訣は、本書の中に!


とあるものの、「仮説力」という言葉にこだわるあまり非常に読みにくい本となってしまった、惜しい一冊。
内容は何ら他のビジネス啓発書とか割らない。ただ事例が竹内氏お得意の科学であるという話だ。

しかし、この事例が面白いから買うというのも全然理由として成立する位にはなっている。

例えば一番最初に「ガイアの復讐」からエネルギー生産業における死者の数(PDF)の引用から始まる。安全性が叫ばれる原子力発電所の運転だが、意外と死者数は少ない。目からウロコ。

このようないくつかの例示が非常に面白い。読み所はそこ最後のK少年の話くらいだろう。全体を通して"科学は面白い"を伝えたいのか、"ビジネスには科学的思考が必要"を訴えたいのかがよく分からず中途半端になっている。

一番がっくり来たのがネットワーク思考に触れたときだが、これだと複雑なものは複雑だ、としか言い切れない。確かに原因と結果が一対一対応をする「一対一対応期待」は問題視されるべきだ。

私ならこれに対してシステム思考を推す。客観と主観の発想の転換だけでなく、ミクロ・マクロの視点の変換、ループなど様々な要素が詰まっている。

せっかく分かりやすい表現力と幅広い知識・哲学を持っているのに、この本は"もったいない"と感じた。いっそ高校生向けに書き直したらどうだろうかとさえ感じた。多分同じ内容でも理解できる。新書であれば読んで損はないなと思った。新書で出たら是非買って欲しい一冊。