萩本欽一(以下欣ちゃん)、小堺一機、関根勉、SMAP、そして欽ちゃんファミリー。

人をバカにしたり傷つければ一部の視聴者に対して一時的な笑いは取れるが、広く長く笑いを取ることは難しくなる。

人をバカにせず傷つけず笑いを取り続けることは平凡な努力出てきるわけではないが、難しくもない。

ポジティブであり続けることだ。


本書は著者鶴間政行氏による笑いの"あり方"を書いた本。

目次
アスキー新書 人に好かれる笑いの技術より
第一章 人気TVタレントのコミュニケーション力
第2章 私が欽ちゃんに教えられたこと
第3章 オマケのある毎日を過ごす方法
第4章 コミュニケーションでウケる技術!?
今の笑いとコミュニケーション?あとがきにかえて

漢数字とアラビア数字が並んでいるのもご愛敬というか笑いのネタであろう。


本書の話の核となる3章4章で語られる、発想法や視点移動の術は多くの自己啓発本で語られているものと大差はない。

ただ、この基本的な発想術がプロの世界でのベテランのレベルにおいても通用するのだという情報は価値があるだろう。内容は目次を見て想像してもらえばよい。

重要なのはそこではない。

1章2章で語られる放送作家としての鶴間氏、そして欣ちゃんをはじめとする有名人たちのあり方に対してのエピソードは他書や他の著者が語れない重要なものでろう。もっと掘り下げて書いてほしかった。

要約すると、無礼も芸ではあるが、すべての年代にうけるには礼儀や笑いの技術が必要であり、これは意識と気の持ちよう一つで変わるよ。著者が欣ちゃんをはじめお笑い芸人や芸能人たちのすぐとなりで仕事をしてきて受け止めたことが非常にわかりやすく書いてある。

高校生くらいから理解できる範囲のものなので、ビジネスマン向けに書かれていることがもったいないのだ。

爆笑問題やダウンタウンなど、毒舌を芸にしている芸人ももちろん多々いる。芸の多様性は認めるべきだし、ビートたけしに至っては芸は反政治的な活動だと発言したと記憶している。

これも目的の違いで、笑いが
1.生活手段・コミュニケーションであるのか、
2.アートもしくはエンターテイメントであるのか、
3.政治的(もしくは啓蒙・啓発)活動であるのか、
この違いであり、かつ線引きはめんどくさい。

ただ長期最適、全体最適としては笑いは平和で感動のあるものがよい。そういうことだろう。お世辞にもロジカルとはいえないし、本書はあくまで自伝なので突っ込みどころはたくさんある。
ただ、痛いこと、常識外れなこと、普通じゃないことをすればよいと言うメディアのあり方にうんざりしている昨今、共感したくなった一冊であった。