前回の記事を書く元になった一冊。

非常に説教臭の強い一冊。

一年前に購入したが読む気が失せいまさらの一冊となった。それがよかったのかもしれない。

なぜ大人がこのように偏った思考パターンなるかということに問題意識を持ち読めるようになったためである。



本書は紅白歌手和田アキ子の、いわゆる芸能人本であり、内容としては細かく区切られたエッセイが一貫性もなくつらつら並べられている。昨年の4月位に買ったものの説教臭さから読まずに放置していた。同じ芸能人本でも読むなら島田紳助の本をお勧めする。

その内容と言えば、
・若い奴も大人もマナーを知らないやつが多すぎる
・親が叱らないからだ
・怒るんじゃない、叱れ
・目上の人に対する礼儀がある
・くだらない大人は年上でも叱る
・あいさつ、服装、食事、公衆マナー、ビジネスマナーに人間が出る
・マナーを無視する原因は個性のはき違えじゃないか
・私は子供を産めないからお前らは恵まれている
・私の親父は叱りすぎで大嫌いだ
・人の痛みがわからないから悪いことをする
・でも体罰はするな
・叱られても聞かないやつは無視
・私は叱られてもたばこは止められない

といった具合に他人に厳しく自分に甘く、叱ることがいいことなのか悪いことなのかあいまいなまま、完全なステレオタイプを語るのである。
逆に大人たちはこういう風に世の中を見ているんだなぁという基準となるモデルケースとすら思えるほどきれいなステレオタイプである。

 途中で気付いたのだが、和田アキ子には軽度の躁うつ病の気があるのではないか。
僕は精神科医ではないので詳しいことはわからないが、本書いわく、彼女は仲の良い芸人やマネージャーやその家族ですら説教をし、町のマナーをわきまえない大人にいきなり怒鳴り散らし、夜は旦那にこんな嫌なことがあったと泣きつくのだという。また、親に叱られた時は嫌だったといい、子育てなどのマニュアルや消費期限などの表示に頼るなと主張し、できちゃった婚を親のエゴと断定する。一方で親なら叱れといい、食事や電話のマナー一つ知らないのかと怒り、自分は子供ができないと泣き落す。この一貫性の無さは僕の眼には特異に映った。
 躁うつ病という表現が適切かはわからない。しかし、テレビで昼間から急にニュースを見て腹が立ったと芸能人に怒り出し、自分の過去を語っては泣きだし、深夜ラジオで友人の結婚に反対し、一方で人を恨むなと説教を垂れる。本書の記述も怪しいが、これが本当だとしたら、この感情の起伏の激しさは頭が固いというよりも軽度の躁鬱の傾向ではないかとふと思った。

本書で感心したところと言えば、和田アキ子が若手の頃、言葉を覚えようと仕事が終わってから毎日辞書の言葉を地道に覚えていったということだ。努力して今の地位にあるのはわかるし、その努力の方法として教養本やハウトゥ本、自己啓発本ではなく、辞書から読み始めるというのは面白い。